萩尾望都さんの『ポーの一族』を読みました。
ポーの一族(要するにヴァンパイア)の少年エドガー、妹のメリーベル、アランの物語です。
彼らはいろいろな時代に姿を現しています。彼らの目撃談が「ランプトンは語る」という話で一つにまとまるという構成がすばらしいと思います。
キャラクターも魅力的。
エドガーとアラン、姿形は14才の少年なのですが、エドガーはアランより100年程長く生きているうえにいろいろ苦労してるのでものすごく大人です。逆にアランはわがままで子供っぽいんです。
そんなアランに対するエドガーの保護者っぷりがたまらんのですよ…!
エドガーがアランにビンタして「ぼくのそばからはなれるな!」って言うシーンでここ最近一番のときめきを感じました。
エドガーはちゃんとアランを大切に思ってるんですよね。でもその心からメリーベルが消えることはない。だからアランは自分は身代わりなんだと思ってしまう。
二人共切なすぎる…。
メリーベルは永遠の美少女ですね。女の子の憧れをぜんぶ詰め込んだみたいな美少女ですよ。萌え!←
話の中で一番好きなのは「小鳥の巣」です。美少年+ギムナジウム=至高
アランのわがままが遺憾なく発揮され、エドガーがそんな彼を全力でサポートします(笑)
構成もやっぱりすばらしいんですよ。
エドガーが口ずさむ「だれが殺したクック・ロビン」が物語の鍵であるとともにエドガーの心情も表しているの。
そうそう、アン・ライスのヴァンパイア・クロニクルシリーズ(映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』、『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』の原作)は『ポーの一族』に似ていると聞いてはいたけれど、本当に似てるのね。あっちはヴァンパイア自身の伝記として描かれているけど。
おもしろいなあ。誰か比較研究とかやってないのかなあ。
読んで良かったよ『ポーの一族』
少女漫画はこれを読まずして語れないと言われるだけあるわ。
でもこういうすごい作品を読んじゃうと、その世界にどっぷり入りこんじゃうんだよねえ…。
私、しばらく立ち直れそうにありませんorz