音楽を聴きながらウィリアム・バロウズの『裸のランチ』、ロートレアモン伯爵の『マルドロールの歌』、デニス・クーパーの『クローサー』をとっかえひっかえ読んだ。
これらの作品、私にはちと難解なので、なにも考えずにひたすら文字を目で追う。そうするとイメージだけが流れこんでくる。これがなかなか気持ちいい。
『クローサー』だけ読了。読むのはこれで二回目。
前読んだときも、今日読んでみても、これといった感想が思い浮かばない。
ただ作品全体に漂う絶望が、なんとなくくせになる。
私が好きなのはデイヴィッドの章。デイヴィッドは自分がポップスターだと思い込もうとしている美少年。
「ボクは、世界がボクという高価なラッピングの贈り物についてめぐらす思考の内部に横たわって、願っている。誰かがボクをバックリと開いてしまって、ボクがほんとに有名な若手シンガーなのか、それともただのギャグなのか、教えてくれることを。」
ここ読んでると泣きたくなってくる。